リフォームの見積もりを検討する際は、
・一式ではなく、内訳を出してもらいましょう。
・内訳を項目ごとに比較しましょう。
・特に追加工事の可能性について確認しましょう。
・項目ごとの比較だけでなく、総額や内容(説明)で決めましょう。
リフォームの見積もりの見方と注意点
見積もりの内訳をもらおう
現地調査が終わり各リフォーム会社から見積もりが出てきたら、各社の内容を比較して、検討してみます。
見積書には
・各材料や設備の価格
・各箇所の工事の価格
・その他経費ごとの価格
などの内訳が書いてあります。
下記は見積書の一例です。
見づらい方はこちら 見積書の例
まず見積もりに内訳がなく「リフォーム工事一式 ○○万円」といった見積もりでしたら、内訳を出してもらうように依頼しましょう。
内訳がないと何の設備や材料が使われているのか確認できません。
希望どおりのものか、安い材料や設備が使われていないか、内訳でメーカーや規格を確認しましょう。
工事についても工事ごとの価格の確認も必要ですし、見積書に含まれている工事の範囲を確認しておく必要がありますので、内容を確認する必要があります。
ただし、見積書の項目は会社ごとに違い、どうしても細かい内訳が出せないという会社もあります。
そういう会社は、その項目ごとに何が含まれているかを確認して、他社と比較することになります。
見積もりの内容は、大きく分けると、
総額=工事費(工賃+設備・材料費)+諸経費
となります。
工事費は、実際に施工する職人さんの日当である「工賃」と、原材料費である「設備・材料費」に分けることができます。
費用の内訳については、下記のページをご覧ください。
リフォームの見積もりの見方
ここでは見積書の見方について解説します。
内訳には各リフォーム箇所ごとに工賃や設備・材料費、諸経費の内容、金額が書いてあります。
見づらい場合はこちら 見積書のポイント
検討する際のポイントは以下の点です。
①材料のメーカー、規格、単価、使用量
壁紙や床材、外装塗料などの材料を指定した場合は、ちゃんと希望どおりのメーカー、規格になっているか、また単価と使用量も確認しましょう。
一式などとなっている場合は、内訳を出してもらうようにしましょう。
材料は各会社で扱っているメーカーが違う場合が多く、一般の人もメーカーなど分からないので、その中から選ぶケースが多くなります。
そのため単価が高いのか安いのか分からないと思いますので、2~3社からもらう見積もりを比較して、高すぎたり多すぎたりする場合は理由を確認しましょう。
会社によって普段使っている得意なメーカーがあれば割安になる場合もあるので、安くしたい場合は聞いてみましょう。
ただその場合は、得意なメーカーの商品をいいように言いがちですので、注意が必要です。
見本や展示場で確認できれば安心です。
価格についてどうしても納得できずに自分で調べたい人は、インターネットで価格やグレードを調べたり、ホームセンターで価格や使用量について店員さんに聞いたりして調べれば分かると思います。
使用量については、まずリフォームの範囲の確認を行い、2~3社で違いがないか、差がある場合は理由を確認しましょう。
②設備のメーカー、規格、単価
設備についても上記の材料と同様ですが、こちらはキッチンやユニットバスなどのメーカーや規格にこだわる方が多いと思います。
見積もりを安くするために同じメーカーの型落ち品で見積もりしているという例もありますので、ちゃんと希望どおりか、確認するようにしましょう。
③工事代金
各リフォーム箇所や作業ごとに書かれています。
作業ごとに何人工(にんく:作業にかかる延べ人数で、人数×日数)になっているか、聞いてみましょう。
人工の単価が分かると思いますので、比較してみるといいでしょう。
例えば2人で2日間かかる2×2=4人工での工事が10万円でしたら、1人工あたり10万円÷4人工=1人工当たり2.5万円になります。
作業ごとの日数も分かるので、スケジュールの確認にもなります。
ただしこの工事代金は安ければいいというものでもなく、値切った場合は人件費が安くて経験が浅い若手の職人さんを担当にされる場合がありますので、注意が必要です。
依頼したい会社が他社より高い場合も、ベテランの腕のいい職人さんで高いという理由でしたら仕方ないです。
逆に安い場合は、若い職人さんじゃないか確認して、もしそのような場合は、例え価格が上がっても経験10年以上のベテランの職人さんをお願いした方がいいでしょう。
リフォームは一生に何度もすることではないので、何万円かのために後悔しないようにしましょう。
床工事など面積が明記されているものは、思い違いのないように見積書の範囲を現場で確認しましょう。
面積単価があるのものは確認して、他社と比較しましょう。
④追加工事・別途工事の可能性
③の見積もりに書かれた工事以外にも、リフォーム開始後に床や壁の腐食が分かり、追加工事が発生することがあります。
床下や壁の中の状態は実際に工事をしてみないと分からないので、見積もりには入らないのですが、施工業者は経験からどのような追加工事が必要になる可能性があるかは分かっています。
工事が始まってから状態を確認し、必要があれば追加の工事となってしまうのですが、後から請求書を見て、見積書より高くて予算オーバーになってしまった、となってしまわないように、事前に確認してどれくらいの金額がかかる可能性があるか、概算金額でもいいので聞いておきましょう。
⑤その他費用
傷がつかないように保護するための養生費、リフォーム後のクリーニング代、廃材の処分費等の費用がかかります。
書いてない場合は諸経費や各工事代に含まれることがありますので、聞いてみましょう。
⑥諸経費
諸経費というのは現場でかかる現場経費(現場監督者の人件費や交通費などの費用)の他に、会社の事務所の維持費や事務員の人件費などを補う、会社を運営していくための利益が含まれています。
そのため細かい内訳は出てこないかもしれませんが、確認申請の費用、契約書の印紙代など金額がはっきりしている経費が含まれている場合もありますので、何が含まれているか確認しましょう。
諸経費の中の必要な経費を抜いた会社の利益は工務店では全体の15%位が相場ですが、大手リフォーム会社やリフォーム専業店は工務店などに下請けに出した価格を原価として、利益は全体の価格の30~40%位が相場になります。
比較する際の注意点
比較する際は上記の点に注意して、見積もりが同じ内容になっているかを確認しましょう。
見積もりの価格自体は安くても、別途工事になっているものがあったり、追加の可能性があったりすると価格が大きく変わってきますので、確認しましょう。
また上記の①~⑥のような点に気を付けて見積もりを依頼しても、どうしても会社ごとに見積もりの出し方は違ってきます。
一つ一つの材料や設備、もしくは工事の箇所、作業ごとに利益率が掛けられていて割高な分、諸経費に含まれる会社の利益が大きくない場合もあれば、逆に材料や設備、工事の価格は原価に近い分、会社の利益はまとめて諸経費に含まれる場合もあります。
つまり、どの項目に利益を含ませるかが違うということですので、2~3社を比較してみて設備や個々の工事、もしくは諸経費が他社より高いので絶対ダメ、必ず価格を合わせさせないとダメ、ということではなく、総額とその内容で判断するようにしましょう。
設備にこだわりがある人が、設備の価格だけで依頼先を決めたけど、実は工事費や諸経費を含めた総額は他社の方が安く、しかも依頼先の工事の仕上がりに満足できなかった、という例もあります。
安いにこしたことはないのですが、他社より高い項目があったり、総額が高かったりする場合はちゃんと理由を聞いて、納得できる説明ができる会社を選ぶことが大切です。
見積書を比較したら、いよいよ依頼先を決定しましょう。
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