リフォームの費用は依頼先によって差が出ます。
・現場管理ができて、希望もスムーズに伝わり、余計な費用もかからない工務店がおすすめです。
・大手リフォーム会社に依頼しても実際施工するのは下請けの工務店なので、大手リフォーム会社の利益の分だけ高くなります。
リフォームの費用の内訳は?
リフォームをする時の一番の関心事、それは費用のことではないでしょうか。
それでまず知っておいてもらいたいことは、リフォームの費用は依頼先によって価格の差があり、会社により2倍以上の差が出る場合も珍しくない、ということです。
それはリフォーム業界の仕組みによるものですので、一概に高ければぼったくり、安ければ手抜き工事、というものでもありません。
リフォーム費用の内訳を簡単にいうと、
リフォームの費用 = 工賃 + 設備・材料費 + 諸経費 + リフォーム会社の利益
となります。
各項目の説明については、以下のとおりです。
工賃
工賃(職人さんの日当)とは、実際に現場でリフォームを施工する大工さんの人件費です。
職人さんの腕や経験によって金額が違ってきますが、1日当たりの人件費×○○人工(にんく・作業にかかる延べ人数)で計算でき、1人工あたり18,000~25,000円がおおよその目安です。
これは実際にかかった金額ですので、どのような会社でも同じだけがかかるようになります。
工賃は当然経験の長い、腕のいい職人さんの方が高くなります。
しかしその方がリフォームにかかる期間は短くなりますし、仕上がりにも差が出ますので、この費用は惜しまず、職人さんの経験年数を確認し、経験10年以上のベテランの職人さんをお願いするのがいいでしょう。
設備・材料費
システムキッチンのような設備であったり、内装の壁紙や外装の塗料、工事に使う釘など材料の費用です。
当然設備によって費用がかわってきますので、他よりもリフォーム代金が安い場合は設備が安いものになっていないか、材料はどのようなものが使われているか、ちゃんと確認するようにしましょう。
また他より高い場合も同様で、設備や材料がいい、高いものを使用されている場合もありますので、確認して比較するようにしましょう。
諸経費
その他の費用は諸経費に含まれます。
諸経費は現場経費(現場の管理者の人件費や交通費などの諸経費)や会社の経費(事務所の維持費、通信代、交通費等)を補うための会社の利益を含んだものになり、それらの価格は通常一式で表示され、内訳が明確にはなりません。
しかし下記の項目については明確にできますので、必要な経費が全て見積に含まれているか、別途請求になるものがないか、確認しましょう。
設計費
リフォームの図面を作成するための費用で、小規模で必要ない場合もあります。
工務店などでは建築士に外注することが多く、別途費用となることもあります。
書類作成手数料・申請手数料
一般的な木造2階建ての住宅までなら大丈夫ですが、それ以上の大きさの住宅で、増築や大規模なリフォーム(柱、壁、階段など)を行う場合、自治体の役所等に確認申請が必要な場合があります。
地域やリフォームの規模によっても異なりますが、申請の手数料は1~2万円程度で済みますが、書類の作成には専門的な知識が必要なため、リフォーム会社や建築士に頼むことになります。
費用は申請料込みで14万円程度から高い場合は30万円程度になります。
書類作成手数料と申請手数料が別の場合もありますので、確認しましょう。
印紙代
契約書を作成する時に必要になる印紙代です。
リフォームの金額によって異なりますが、この記事を書いている時点では特例措置があり、500万円超1,000万円以下でしたら5,000円を通常お互い1通分ずつ負担します。
気になる方は国税庁のページで確認しましょう。
仮住まい費用
リフォームを住みながらではできない場合、一時的な住居、またそこへの引っ越しの費用、トランクルームや駐車場を借りる費用等が必要となります。
上記のような費用が「諸経費」と並び「その他追加費用」などと見積書に書かれ、別途費用が掛かる場合がありますので、最初に確認が必要です。
リフォーム会社の利益
これも項目としては「諸経費」の中に含まれます。
諸経費にはいろいろな費用が含まれますが、一番大きなものはリフォーム会社の利益です。
利益をどれだけ取るかが会社の業態により異なり、リフォーム価格の差の一番の要因になります。
職人さんに依頼する場合
リフォームを個人の職人さんに依頼して施工もその職人さんがされる場合、職人さんの日当=利益を含んだ工賃となり、その他の利益は発生しませんので、この場合がリフォーム費用は一番安くなります。
ただ簡単なリフォームでしたら個人の職人さんに依頼できるのですが、例えば設備の入れ替え以外にも大工仕事や電気工事など、リフォームでは複数の分野の職人さんが必要な場合がほとんどです。
その場合、必要な人員を手配し、スケジュールを立てて全体を管理する「現場管理」の仕事が必要になります。
個人の職人さんでも小規模なリフォームの現場管理ができる方はいらっしゃいます。
しかし職人さんの仕事は現場での施工がメインですので、実際は現場管理のできる会社組織の工務店・専門工事店や大手リフォーム会社に依頼するのが一般的になります。
工務店・専門工事店に依頼する場合
工務店や専門工事店(塗装店など)に依頼する場合、現場管理者の人件費や事務所の維持費や諸経費を補うための会社の利益がかかります(見積りの項目としては諸経費に含まれます)。
しかし上記のとおり、リフォームには現場管理が必要ですので、実際は特定分野の職人さんを抱えつつ、他の職人さんの手配もできる工務店や塗装店のような専門工事店といった会社の担当者が管理される場合がほとんどです。
工務店に支払う諸経費は費用全体の15%ぐらいが相場ですが、単なる中間マージンではなく、実際の管理に必要な費用だと考えるべきでしょう。
理論上では必要な設備を自分で購入して、直接大工、設備設置、電気工事などの必要な業者に直接依頼すれば、現場管理費がかからず、安く済むことになります。
しかし実際は、必要な作業を把握し、業者を探して依頼し、スケジュール管理して、立ち会って監督するというのは、素人ではまず不可能です。
またスケジュールが合わずに職人さんを待たせれば、当然その分の日当は発生しますし、リフォーム後の不具合が起きても、原因が分からず責任を問えないなどの問題もありますので、素人の現場管理は考えない方がいいでしょう。
大手リフォーム会社・リフォーム専業店などに依頼する場合
次に大手リフォーム会社、リフォーム専業店、家電量販店やホームセンターですが、このような業態は元請けと呼ばれ、営業活動により注文を受けたリフォームを工務店などの下請けに出して施工させます。
そのため営業人員や経理など間接部門の人件費、広告費、事務所維持費などの会社の諸経費を補わなければならず、実際工事を行う工務店・専門工事店の工事費に通常費用全体の30~40%の利益を足した金額で見積りします。
またその中でも大手リフォーム会社はモデルハウスやショールームの維持費、テレビやラジオでのCM等などの広告宣伝費も余計にかかってしまうので、更に価格が上がってしまい、最終的には工務店価格の2倍以上になってしまうこともあるのです。
その分営業担当者がまめに訪問してくれたり、近くでリフォームのイベントがあったら招待してくれたりとサービスは充実しています。
しかし営業担当には現場の専門知識がないことも多く、実際に施工を行うのは工務店・専門工事店ですので、この30~40%以上の利益はあまり必要なものとは言えないでしょう
まとめ
以上のように、リフォーム費用で一番大きな差が出るのはリフォーム会社の利益の部分です。
諸経費の中に含まれて分かりにくいことが多く、会社によっては「現場管理費」などの項目になっていることもありますので、見積りで確認してください。
有名な大手リフォーム会社に依頼すると安心と思われるかもしれませんが、実際の工事は工務店・専門工事店が行いますので、余計な費用がかからず、希望も正確に伝わるように工務店などに直接依頼されることをおすすめします。